宮本しゅうじ対談_vol.01

“発酵のまち”で高島を元気に!

他谷 昌子(たや まさこ)

滋賀県高島市出身。発酵・料理家。
料理教室を主催するほか、イベント企画や商品開発などを手がける。
高島市商工会のアンテナショップではメニュー開発を担当。

宮本しゅうじ対談_vol.01
発酵を軸とした観光振興について語り合う他谷さんと宮本議員 
宮本しゅうじ対談_vol.01
甘酒を使ったハンバーグ( 写真中央)、みりんを使った大学芋(写真右)などバラエティ豊かな発酵料理

「月刊商工会」より
https://www.shokokai.or.jp/shokokai/gekkan/

地域で培われてきた発酵という食文化

他谷― 私が住んでいる高島市は、滋賀県の北西部にあって、昔から鮒ずしをはじめ、発酵の食文化が息づいてきました。
私は料理家として料理教室を主宰してきましたが、ご縁があって高島市商工会が進める「発酵するまち・高島」プロジェクトに携わって、近年では京都に期間限定オープンした高島市商工会のアンテナショップ「かもす家」の料理のレシピを開発しました。また、観光に結びつけた体験ツアーで、発酵をテーマに地域を元気にするお手伝いなどもしています。
宮本― 素晴らしいですね。僕の地元の石川県も、昔から醤油や味噌、日本酒など、発酵の食文化が盛んです。僕自身、家業の蔵元を継いで、日本酒をつくってきました。
他谷― 高島にも、日本酒や醤油、味噌などをつくる蔵元が古くから続いています。そのほか、棚田が広がる畑地区という場所でお婆さんがつくる「畑漬け」という漬け物があるんですが、私が同じようにつくっても、その味にならないんです。
宮本― 同じことは、お酒づくりでもいえますよね。昔ながらの酒蔵には、蔵付き酵母菌が存在し、お酒の特徴をつくることに作用します。
他谷― 宮本さんの石川県もそうだと思いますが、高島は菌が住みやすい地域なんです。寒暖の差が激しくて、冬になると寒さで生きていけない菌がリセットされ、いい菌だけが残る。発酵は地域にいる菌がつくる文化ですね。
宮本― 本当ですね。発酵の食文化は地域で違いがありますよね。たとえば醤油でも塩分が強かったり甘かったり、地域によって特徴が出ていますよね。日本酒でも、体が資本の職業が盛んな地域では体が糖分を欲するので、甘口の酒が多いというようなデータもあるそうですよ。
他谷― そうなんですか!人の味覚や発酵文化には、とても奥深いものがありますね。

地域の観光振興を促進するために

他谷― これまで発酵の食文化を中心に地域おこしや観光振興の活動に協力してきましたが、今、感じていることがあります。
 それは行政、観光協会や商工会のような組織、そして私たちのような地域の事業者が、足並みを揃えて連携して取り組むことの難しさです。補助金がないと続けられないという現実も見えてきました。
宮本― それは多くの地域が抱えている課題ですね。観光協会や商工会が中心となって進めようとしても、行政や補助金に頼らざるを得ないので、"自律"した運営がなかなか難しいと思います。事業者さんにしても、商売の損得で判断したり、事務局まかせの部分があったりしますしね。
他谷― 宮本さん、まるで見てはったようですね(笑)。
宮本― 自主採算性を備えた組織でないとうまくいかないんです。そこで有効なのが、DMO※。観光地経営を行う特殊法人です。代表的な例はハワイで、DMOは観光客が宿泊などで支払う税金から収益を得るような仕組みになっています。日本でも数年前から日本版DMOを取り入れようと観光庁が呼びかけを行っています。
 高島でもDMOを立ち上げるとしたら、収益の部分を考えなければいけません。たとえば、統一ロゴのシールをつくり、参画事業者さんはそのシールをDMOから購入し、個々の商品に貼って販売するという方法もあります。
運営母体をしっかりつくり、収入源を確保して、その活動に地域の事業者を巻き込んでいく。
他谷― なるほど、仕組みづくりが大切ですね。私は、発酵の食文化を通して、人と人とのつなぎ役になりたいと思っています。高島に愛をもってなんとかしたいと思う人が集まって、それが仕事になる。そして地域を育てていく。すごく大事なことですよね。
宮本― 僕は、高島のポテンシャルは非常に高いと思います。あとはそれをマネジメントする組織ができるといいですよね。そして、他谷さんのような方にぜひ、DMOの中心になっていただきたいですね。

※本ページにある記事・写真は「月刊商工会」より引用
https://www.shokokai.or.jp/shokokai/gekkan/